COLUMN

マーケティングオートメーション(MA)に必要なデータ基盤を構築したい

MA導入成功のカギとなるデータ基盤構築

マーケティングオートメーション(MA)導入プロジェクトではまず最初に何のためにMAを導入するのか、目標となる指標を設定し、設定した目標を実現するための効果的なシナリオを考えていくところにフォーカスされることが多いかと思います。

参考情報:マーケティングオートメーション(MA)の効果的なシナリオを設計したい

 

もちろん、データを活用して「誰に(Who)」「いつ(When)」「何を(What)」「どのように(How)」を組み合わせ顧客との最適なコミュニケーションを実現することは、MA導入の大きな目的ですが、その効果的なシナリオを考える事と同じくらい重要になるのが、実施したいシナリオを実現するためのデータをきちんと準備する事です。

 

本コラムではMAに必要なデータ基盤を構築する際に考慮したいポイントをご紹介いたします。

 

 

BtoBとBtoC 異なるMAで利用するデータ

まず大きなポイントとなるのが、一言にマーケティングオートメーション(MA)と言っても、導入する事業や業務によって必要とされる機能が大きく異なる点です。

 

例えばHubspotやPardot、Marketo等に代表される営業支援を目的としたマーケティングオートメーション(本コラムではこれをBtoB向けと呼びます)では、リードと呼ばれる顧客データが存在し、そのリードに対して「どんな情報に接触しているか」「どのようなイベントに参加しているか」等からスコアを計算し、ホットなリードを自動的に抽出します。

 

この時に必要となるデータは主に次のようなものがあります。

   ●顧客データ(リード)

   ●行動トランザクションデータ(WEB閲覧データやイベント参加、キャンペーン反応履歴データなど)

基本的には上記のようなデータから見込顧客(リード)を評価し、スコアを計算して保持します。

 

一方で、小売業やEC、旅行、金融サービス、コンテンツ配信、WEBサービスなどコンシューマーを対象とする事業で利用するマーケティングオートメーション(本コラムではこれをBtoC向けと呼びます)では、トランザクション系のデータは種類が多く、またトランザクション系のデータに加えてマスタ系のデータも活用します。

 

BtoC向けのMAで利用するデータ例

 ●顧客データ(会員)

 ●トランザクション系データ(オンライン)
  ○WEB閲覧データ、カートデータ、購入履歴データ(EC)、お気に入りデータ、キャンペーン反応履歴データなど

 ●トランザクション系データ(オフライン)
  ○購入履歴データ(店舗)、来店履歴データ、クーポン利用履歴データ、ポイント履歴データなど

 ●マスタ系データ
  ○商品マスタ、カテゴリマスタ、店舗マスタ、キャンペーンマスタなど

 

また、一般的にBtoB向けのMAで扱うデータはリード数が数万件~数十万件とそれに付随するトランザクションデータが多いのに対して、BtoC向けのMAでは、数百万人の会員データ、月間数億PV、数十万を超える商品(アパレル等では数百万の商品を持つこともある)、年間で数百万の取引履歴を扱うこともあり、データ量も大きくなることがほとんどです。

 

MAを導入する対象となる事業で扱うデータの種類と量に合わないシステムを導入してしまうと、その時点でMA導入の成功は極めて難しくなります。

 

運用負荷の少ないデータ連携

利用するデータが決まり、次に考えることは、どのようにデータをマーケティングオートメーション(MA)に連携するかです。

この時にポイントとなるのは、極力、データを出す側(基幹システムやECシステム)に負荷の少ないデータ連携を実現することです。

 

通常、基幹システムやECシステムはMAに連携する前提でデータ構造を設計していないので、データを出す側でMAに対応したデータを作るようにするのは非常に困難ですし、出来たとしても初期開発期間やコストが膨れる原因になりやすいです。

 

理想はMAが柔軟にデータ構造を変更することができ、基幹システムやECシステムは保持しているデータをそのまま出力するだけで対応できると導入がスムーズになりやすいですし、運用中にあるデータを加工して新しいデータを生成したいといった要件が発生した時にも対応がしやすくなります。

 

また、保持しているデータが複雑な場合等には基幹システムやECシステムとMAの間にデータ処理を行うための中間サーバ(DMP(※1)やDWH(データウェアハウス) ・データマート)を構築するのも良いかもしれません。

※1 Data Management Platformの略

 

中間サーバを構築する際に気をつけたいことは、MAに連携するデータを処理するための時間を長くなり過ぎないように抑えることです。中間サーバの処理の負荷が高くなると、日次のキャンペーン実施にデータ連携が間に合わない等の問題も考えられます。

 

 

キャンペーンで使いやすいデータ基盤

最後のポイントは、せっかく連携したデータをマーケティングオートメーション(MA)で簡単に使えるようにすることです。

 

MAを導入後、マーケター(もしくはその他のMA運用の担当者)は毎日大量のキャンペーンを運用していくことになります。その時に、取り込んだデータを利用してキャンペーンのターゲット条件を作るのに、いちいち別の画面でターゲット抽出条件を作らないといけないようだと、運用の負荷は非常に高まります。

 

例えば、弊社で扱っているProbanceでは、クライアント企業の保持するデータ構造に合わせて柔軟にProbance側のデータ構造を定義でき、内部で自動的にMAで利用するためのデータマートを生成します。

 

▼MAのためのデータマートのイメージ

マーケターはキャンペーンの設定画面からデータマートで自動生成されたデータを簡単に呼び出すことが出来るので、SQLのような専門知識もなく、直感的にキャンペーン対象者を設定することが可能です。

 

▼Probanceのターゲットフィルタリング機能(イメージ)

 

 

おわりに

本コラムではマーケティングオートメーション(MA)で必要になるデータ基盤について簡単にご紹介させていただきました。

皆様がMA導入をご検討される際には、どんなシナリオを実現するのかと一緒に、どんなデータをどのような形で利用するのかも具体的に考えてみると、導入後も運用にのりやすく、成果も出しやすいのではないかと思います。

 

自社のビジネスや保有するデータの種類・量に合ったデータ基盤を構築して、使いやすいMAの導入を実現してください。